となりの音楽。

個人的に好きな、気になったアーティスト、楽曲、アルバムを紹介していきます。

『色』FLOWER FLOWER

『色』

FLOWER FLOWER

 

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FLOWER FLOWERというバンドをご存知だろうか。知らない人も多いかもしれない。

では、「CHE.R.RY」や「Good-bye days」などのヒット曲を持つシンガー・ソングライターYUIはご存知だろうか。知っている人は多いはず。

そのYUIが"yui"と名前を変え、フロントマンを務めているのがFLOWER FLOWERというバンドだ。

 

YUIの頃とは違い、髪を金髪に染め、エレキギターを弾く彼女。やはりYUIの頃のファンはその変貌ぶりに戸惑い、聴かなくなってしまった人もいるようだ。

 

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確かに弾き語り美少女のラブ・ソング、というものとは違った音楽性のバンドではあるが、この『色』は"YUI"の時代を経て、"yui"となった彼女だからこそ歌える、優しさに満ちた楽曲が4曲収録されている。

 

春、夏、秋、冬。

四季の名が付いたそれらの曲は、一年を通して聴く人に寄り添い、暖かな気持ちにしてくれるだろう。

 

個人的には「秋」が気に入っている。

胸に染みいるようなyuiの歌声を聴くたび、泣いてしまいそうになるのだ。

 


Flower Flower - 秋 (Aki) (Little Forest)

『Crooks & Lovers』Mount Kimbie

『Crooks & Lovers』

Mount Kimbie

 

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数年前のアルバムになるが、個人的に大好きな1枚。彼らの盟友James Blakeの1stアルバムが出たときに、同時に聴いたのを覚えている。

 

ベッド・ルーム・サウンドに近いこのアルバムと違い、次作ではスタジオでこだわって音を作った、という感じが強かった。限られた機材で作った(であろう)この作品のほうを今でも気に入って聴いている。

 

Track①はアルバムのイントロと言える曲。

サンプリングされたアコースティック・ギターとボイス・サンプルがが印象的。

 

Track⑥はのちにシングル・カットされた楽曲。彼らの曲のすべてに言えることだが、ノイズ感が絶妙で、使われている音色を微かに色付かせるバランスが素晴らしい。

 

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最後に紹介したいのはTrack⑩の「Mayor」。

得意とするピッチを変えたボイス・サンプルと、パリッとした弦楽器のような音。そしてサビ部分でのベース音とリードのシンセ音。それらのサウンドと曲の構成のわかりやすさが相まって、とてもフロア映えする楽曲になっている。You Tubeでライブ映像も観れるので、ぜひ。

 


Mount Kimbie - Mayor (Live July 2014)

 

 

 

 

 

『Oranged Out』タイヨンダイ・ブラクストン

『Oranged Out』

タイヨンダイ・ブラクストン

 

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タイヨンダイ・ブラクストンポスト・ロック・バンドのバトルスの元メンバー。

バンドを脱退した後、モジュラー・シンセを用いた実験音楽を制作し、”この十年で最も評価されている実験音楽家”と言われるまでになった。

今作でもモジュラー・シンセをふんだんに使った、エクスペリメンタルな楽曲が楽しめる。

 

Track①からその実験性は発揮され、サンプル音とモジュラー・シンセのコラージュが耳に襲いかかる。しかし乱雑と重ねられているわけではなく、本人が”前作よりもハーモニーが強調されている”と話している通り、それぞれの音が考えて配置され、層を成し、一つの楽曲として成り立っているという印象を受ける。

 

Track⑤はアルバム最後を飾る9分にも及ぶ大作。ギター音だろうか、冒頭にフェード・インしてくる音に続き、パーカッションが小刻みに鳴り始める。そしてキックが入り、気分を少しずつ盛り上げ、途中から倍速で4つ打ちを刻む。左右からのモジュラー・シンセの音とともに、最後にふさわしいテンションの上げ方で曲は終わる。

 

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近年モジュラー・シンセはブームとなり、制作に取り入れるアーティストも増えてきた。このアルバムはこれからモジュラー・シンセを使おうとする人にとって、参考となる作品だろう。

 


Tyondai Braxton's HIVE: Live at The Kitchen — "Boids"